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時雨の頃

降る雨も冷たさを増して季節風とともに足早に通り過ぎて行く時雨

 

撮影していてせつないが好きな雨である。

特に日本海の晩秋の頃の雨が好きだ。
この頃の川には鮭がせっせと遡上して来る。
漂白の歌人 山頭火の旅にも雨はつきものだった。
雨の句が非常に多い。
中でも「時雨」には特別な感情があったようだ。
詩人の佐藤春夫は時雨に向かって
山のむこうに住むあの人に私の気持ちを伝えておくれ」
とささやく。
僕の時雨もいつも旅の中にある。