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フォトレック多摩川(4)

多摩川の水源は山梨県の笠取山(1953米)でその登山口にたたずむ小さな集落が

一の瀬の集落である。
標高1000米を越す高原にあって以前は不便極まりない所だった

1970年代には富山のクスリ売りが薬を背負って通っていたとい

バスも通わない辺鄙な山奥だ。

 

そんな行商人が滞在した「奥多摩屋」という宿が廃業した後も姿だけが残っている。

雪の茅葺き農家と奥多摩屋
雪の茅葺き農家と奥多摩屋

私が最初に訪れた時、集落内の神金第二小学校の運動会をやっていた。

生徒は数人だったと記憶している。

廃校になった神金第二小学校
廃校になった神金第二小学校

その後、川を巡ってこの集落を訪れる度に子供の数が減っていった。

最後の二人
最後の二人

 

最後に子供を見たのは1980年代だったと

記憶しているが早春の雪が残る坂道で

ソリで遊んでいた二人の子供を見たのが

最後だった

 

それから暫くして、集落の一番高い場所にある

蕎麦を食べさせる茶屋のようなものが出来た。

 

驚いたのは、そんな山奥で最初にやって来て

蕎麦を食べたりお茶をいただいたりして楽しんでいたのはアメリカ人だった。

 

日本人もいたのだろうが、休日には必ずアメリカ人がたむろして高原ライフを楽しんでいた。

 

源流の淀みで水遊びをしているのも彼らだった。

茅葺きの農家1980年代
茅葺きの農家1980年代

いまでは一軒だけあった茅葺き屋根の農家も鉄板をかぶせてしまっ

当時の風情が無くなってしまったが、登山ブームで道も整備されて

多摩川の最初の一滴を見に訪れる人も増えた。