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昭和の旅

 

いま写真家として歩き出す前に撮った写真や、職業写真家として活動を始めてから昭和の終わりまでに撮影したモノクロ写真を整理している。

撮影当時はごく普通の写真でも時を経て眺めるとそのまま埋もれさせてしまうのが惜しいような写真も出て来た。
なにしろ私が高校生の時に撮った写真まである。
特に20代から50になるまではほとんど旅をしながら撮った写真だ。
その一枚一枚をルーペで穴があく程眺めると撮影した時の記憶が頭の中を駆け巡る。

 

整理しながら、その中から気に入った写真を選び、どうやって発表して行くか思案すると心が震えるのである。

吹雪の中を歩いていたら三人の女の子が横殴りの

雪の中に立って話をしていた。

寒いけど友達とこうやってつるんでいた方が楽しい年頃に見えた。

 

左端の女の子が着ているのは懐かしいアノラック。

撮影をしている私もアノラックを着ていた。

場所は苫小牧。撮影は1961年、初めての北海道旅行、19歳の冬でした。

写真が仕事になると、遠くまで行く事が多くなりました。

 

写真は西表を船で去る時の見送りの人達です。

民宿のアルバイトの若い人や友達になった人達も

見送りにきてくれました。

皆さん、船が見えなくなるまで動こうとはしません。

 

見送ることより見送られることの寂しさが船旅には

あります。

 

隠岐の島や北海道の離島でもそうでした。

汽車の旅もしました。

まだ蒸気機関車が走って路線がいくつかありました。

 

写真は会津の日中線です。

会津喜多方と熱塩を結ぶ鉄道で1984年、廃止になるというので駆けつけました。